北京宣言

第12回国際マンガサミット
北京宣言

第12回国際マンガサミット北京大会より


 世界各国および各地域から来た私たち漫画芸術家およびすべての大会参会者は、”漫画で世界をもっと素晴らしく”というメインテーマの下に集まり、ここ中国北京で行われていた第十二回国際マンガサミットに共に参加しました。4日間の開会期間中、国際マンガサミットフォーラムを始めとするICC原作展示会および美しい彩りの各種マンガ発表などの活動を通して、漫画は全世界におけるもっとも活力と影響力を持つ文化の一つとして、漫画家が考えている以上の影響力が秘められていることを認識させられました。漫画を新たに創造することは、今後の漫画の持続可能な発展にとって、必然的な道だと考えるようになりました。今、漫画は各種の文化の衝撃に直面しています。また、今までにない挑戦も伴っています。漫画が新たな産業として始まったばかりの国や地域ではこれは特に際立っています。国際マンガサミットではこれに対し、各フォーラムおよび各メインテーマに沿った活動を通じ、漫画産業や漫画文化の発展過程における貴重な経験を真摯に取りまとめ、漫画が直面している各種問題の解決方法を有意義且つ積極的に探ってきました。
 私たちはこの国際マンガサミットが、私たち漫画界の人間の交流や展示発表の基幹となる機能を発揮していることに強い誇りを抱いています。そこで、今回の国際マンガサミットの成果として《北京宣言》を発表し、”漫画で世界をもっと素晴らしく”という私たち共通の願いを表したいと思い、以下のとおり提案いたします
  1. 関係各国、各地域の政府に対し、マンガ文化の発展と正統な成長のために漫画家の著作権の保護、違法コピーの蔓延を防ぐ取締りの強化および対策を積極的に実行して頂くよう求めます。
  2. 漫画文化の発展のためには、公的機関からの保障や資金援助が必要と見なされる国や地域においては、漫画芸術家の活動への配慮と援助を求めます。
  3. 多様性のある文化を育成し、共に享受するための多様性のある漫画文化の繁栄や発展を奨励します。さらに異なる漫画文化間の交流と協力を積極的に促進させ、文化・伝統やその多様性を尊重し、保護する上で新たな漫画の創出を行い、漫画文化発展のために必要な条件を探ります。
  4. ICC各メンバー間の友好・協力関係を強化し、さらに、ICCの世界各国各地域における影響力を拡大させます。そして国際マンガサミットのアジア以外の地域での早期開催の実現を目指し、各地域の皆様に国際マンガサミットの盛況振りとお祭りの楽しさを提供します。
 私たちはこれまで毎年、国際マンガサミットフォーラム、ICC原作展示会および各種漫画イベントの成果を真剣にまとめ、各国や各地域において発展している漫画文化や漫画産業の貴重な経験と共同的な知恵を総括し、世界でさらに漫画文化の影響を拡大させ、漫画文化の影響を世界の隅々にまで積極的に広げ、全世界の人々に、更なる喜びと楽しさをもたらすようにします。
 北京国際マンガサミットが発案した新たな創出理念と実践を続け、漫画芸術家による新たな漫画創造と、持続可能な発展を絶えず追求するように努力することを私たちは提案いたします。
ICC日本委員会
2011年10月23日