11月20日に81歳で亡くなったマンガジャパン会員・矢口高雄先生の晩年を4年にわたって取材した評伝「釣りキチ三平の夢 矢口高雄外伝」が世界文化社より刊行されることになりました。
著者:藤澤志穂子(元産経新聞秋田支局長)
世界文化社 2020年12月20日発売、1600円+税 240ページ
「晩年5年間に寄り添った元新聞記者による評伝決定版」
急逝した「釣りキチ三平」生みの親、矢口高雄。
晩年は長女を亡くし、筆を折り、気力と体力の減退と戦いながら、
故郷の秋田県にこだわり続け、「横手市増田まんが美術館」を通じ
マンガの地位向上と地方創生、そして原画保存の取り組みから
日本が誇る文化としての、マンガの魅力の伝承と発信に尽くした。
その生涯からは、日本の過去・現在・未来が見えてくる。
旧作「マタギ」が約40年ぶりに復刻されヒット、再評価が進んでいた。
情報化が加速する現代社会において、自然と共生する生き方や、
地方で暮らす価値が改めて見直されてきたたから、ともいえる。
「コロナ禍」が、その傾向に拍車をかけたことは間違いない。
「ガマンだガマン ここ一番が踏ん張りどころ 暗い闇夜も必ず開ける」
80歳を目前に始めたツイッターで、そうつぶやいた矢口。
まだまだ「コロナ禍」の“夜明け”は見通せない。だが、
「三平くん」の笑顔は多くの人々を癒し続けている。
矢口の遺志は、確実にこれからも人々の心の中に生き続けていく。
著者は新聞記者として2016年に東京から秋田に赴任。
ポスター等、街中のいたるところに「三平くん」がいるのに気が付いた。
程なく作者の矢口が秋田県出身と気がつき、関心を持った。
足掛け5年に渡り、矢口と関係者を追いかけた渾身の評伝が本書である。
誰よりも完成を楽しみにしてくれていた矢口に本書を捧げたい。
◆著者:藤澤志穂子(ふじさわ・しほこ)
元全国紙経済記者。早稲田大学大学院文学研究科演劇専攻中退。米コロン
ビア大学ビジネススクール客員研究員。放送大学非常勤講師(メディア論)、
秋田テレビコメンテーターなどを歴任。著書に「出世と肩書」(新潮新書
、2017)。
連絡先:℡090-1464-7435 Mail:s-fujisawa19021@pu-hiroshima.ac.jp
◆世界文化社:担当・小穴 ℡03-3262-5124